偏差値を上げる勉強方法とは

ここのところ偏差値偏向の指導について書いていますが、いくら書いていっても「それでも偏差値が大きいに越したことは無い」という意識は残ってしまうと思います。確かに偏差値が高いということと成績が良いということは連動しています。さすがにそこを否定するつもりはありません。しかし「どうすれば偏差値が上がるのか」という点に注目をすると、また違った側面が見えてくるものなのです。

今回は「模擬試験の成績では偏差値が63であった。第一志望の大学の偏差値が65だとしたら、その大学を諦めるべきなのかどうか」というケースを考えてみましょう。偏差値の理解が進んでいないと、漠然と「偏差値を1つ上げるだけでもかなり勉強しないといけないので、偏差値を2つも上げないといけないのなら合格は厳しいのでは」と感じる方も出てくるでしょう。

こうなると問題なのは、「不足している偏差値をどのように上げるのか」ということよりも、「偏差値が不足しているから受験校のレベルを下げるべき」と考えられてしまうことなのです。これはいささか疑問に思ってしまいますね。

本来受験指導では、しっかり勉強をして成績を上げていくことが大切なことのはずです。しかし「偏差値が不足しているので受験校を見直す」のであれば、より勉強をして学力を上げていくということを否定しかねないのです。厳しい言い方をすると、私はこのような考え方は「自分が生徒の成績を伸ばす指導をする」ということを否定しているように感じてしまうのです。

さてこのケースである偏差値2の差を埋めるには、具体的に何点くらい上げればいいのか分かりますか?

・・・分かる人がいるなら、ぜひ私に教えてください(笑)

偏差値63の成績を出した模擬試験が、「どのような受験生が何人くらい受けたのか」「平均点はいくらなのか」「標準偏差がどれくらいなのか」など、他のデータがしっかりとしていれば、具体的に何点上げれば偏差値65になるのかが計算できます。しかし逆に言うと、このような他の数値が無いと”偏差値を上げる具体的な点数は分からない”のです。

より深く見てみます。偏差値の具体的な計算方法や、特別な場合の偏差値について過去の記事で扱いました。

→ センター試験と偏差値について

こちらでは具体的に、実際のセンター試験で仮に”満点を取った”として偏差値を計算しています。この記事をみると科目によって、その偏差値が大きく異なっていることが分かると思います。

偏差値の変動は、「(得点-平均点)÷(標準偏差)×10」の部分から算出できます。そのため標準偏差の値を元に、「偏差値を1上げるにはどれだけ点数を伸ばさないといけないのか」という概算をすることは可能です。しかし同じ試験を同じ受験生が受けるならまだしも、次の試験では、また本試験では同様のデータが出てくるかは分かりません。むしろ「他の受験生が全く同じ点数を取る」という状況の方が稀有なものでしょう。

そうであるならば、偏差値などを無理に使わずに「○○点からあと10点伸ばす」などの具体的な目標を設定するほうが、何倍も具体性のある勉強方針を立てることが可能になるのです。ここで偏差値を効果的に使える人は、このような言葉を添えるのですね。「だって10点伸ばしたとしたら、偏差値は(標準偏差を20程度とすると)5くらい上がるかもしれないからね」と。

偏差値を元に受験校を考えさせるのと、勉強の目標について偏差値で補足をしてあげるのと、どちらの方が受験生のためになるか。私はきっと後者だと感じます。

以上のことから、はっきりと断言しておきます。偏差値を1つや2つ変化させるような勉強方法など”存在しない”のです。これは標準偏差の値(受験者全員の得点分布)により、この程度の数値は”誤差”にしかならないからです。あまりに大きく目標との違いがあるようなら気にする必要もありますが、小さな違いを埋める程度なら「得点をどれだけ伸ばすのか」という、もっとシンプルな目標を設定するほうが何倍もマシなのです。

何度も書きますが、偏差値とは統計での言葉であり「試験の点数と完全に連動している」とは言い切れません。そこで私の場合、偏差値以上に直接影響する数値として”試験の得点率”、”合格最低点”の方をより重視しています。受験の合否に関係するのは偏差値では無く、試験での得点なのですから。

最後に、「今回例示したような、わずかな偏差値の違いだけで受験校を決めるような状況があるのか」と思う方もいるかもしれません。そのような疑問を持ってもらうだけで、偏差値偏向の指導に対する私の意見を書いている意味があるのです。実際に偏差値というものを理解するわけでもなく、右から左に進路指導をされてしまうケースが、私の周りでもたくさん見受けられるのです。・・・疑問すら持たない方が、問題が大きいですよね!

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