新課程の参考書を購入するのなら

塾をやっていると当然のように知っていることですが、書店の参考書のコーナーを見ていると意外と心配になってしまうことがあるので、今日はその内容を。

以前から何度も書いているように、今年度の高校3年生まで理系科目は”旧課程”の指導要領に沿っています。そして高校2年生以下の学年に対しては”新課程”の指導要領に沿っています。そこで現在の参考書コーナーを見てみると、新旧の参考書が混在している状態になっています。どの書店も「新課程向け」と「旧課程向け」とが分かるように工夫されていますが、それでも購入する立場としては分かりにくいのでは無いでしょうか。

まず理系科目の参考書において”新課程対応”と書かれているものは、基本的に「新課程に合わせて編集されている」ものになっています。そこで”旧課程”の勉強をしてきた生徒にとっては、かなり使いづらいものになっていると思って下さい。

特に数学に関しては、「旧課程しか扱っていない分野」(例えば行列・一次変換など)もありますし、また「新課程しか扱わない分野」(例えば複素数平面など)もあります。ただしこれはまだ分かりやすい違いだと言えます。以前から話題にしている”整数分野”などは旧課程でも扱っていないわけではありません。しかし大学入試には昔から出題されています。そこで整数分野を「新課程しか扱わない分野」と括ることはできません。

また確率分野においては、旧課程では「条件付き確率については数学Cで扱う」ことになっていますが、新課程では「他の確率と同じように数学Aで扱う」ことになっています。この違いがどのように現れるかというと「センター試験に出題されるかどうか」になるのです。

だとすると、仮に文系の受験生が間違って「新課程用の参考書を購入した」とすると、必要になることがほとんど無いと思われる”条件付き確率”というものを勉強してしまうかもしれません。「余分に勉強する」ということは一概に悪いことではありませんが、さすがにセンター試験まであと僅かというこの時期に、余分な勉強をするのはいただけません。その分の時間を”受験する科目・分野”に充てた方が、合格には近づきますからね。

さてこのようなことを書いているのは、私が普段から愛用している「シグマベスト理解しやすい○○」(文英堂)というシリーズに”数学III”が新しく加わっていたことを、本日確認したのです。ここで「”数学III”だけで、”数学C”は無いのか」と疑問に思う方は鋭い。実は新課程に数学Cは「存在しません」。

受験業界ではかなり有名な「チャート式数学○○」(数研出版)などは、受験生の細かいニーズに合わせるために(・・・と勝手に理解していますが)、「”数学I”と”数学A”を合本」しているものと、「”数学I”のみ、”数学A”のみを別冊」にしているものが存在します。これと上記の数学IIIとを混同してはいけないのですね。

このように、単純に「新課程対応」と付記されているだけで、「自分にとって必要なものかどうか」が非常に分かりにくいのです。これが来年以降であれば、混在している状況が”当たり前”になると思いますが、現在は旧課程と新課程も、ともに書店に並んでいる状況なので事前に情報を整理しておくほうがいいのです。

増して予備校が出版している問題集などは、書店でも旧課程のものなのか新課程のものなのか分かりにくい状況があるように思います。そこで購入前に内容を確認し、自分の必要とするものを入手して欲しいと思います。

一方、同じ理系科目である”物理”や”化学”などの参考書に関しては、非常に分かりやすい区別方法があるので、これもぜひ知っておかれて下さい。物理を例に取ると、旧課程では科目名が「”物理I”と”物理II”」と分かれています。これに対し新課程では「”物理基礎”と”物理”」に分かれているのです。そこで「物理I」などとローマ数字が付いているものは、旧課程のものだとすぐに分かるのです。

これが単に”物理”となっていると、新課程のものである可能性が高いと言えます。もしも旧課程の「物理Iと物理IIを合わせて、全体として”物理”と表記」しているものであったとしたら、それは新課程の”物理”とほぼ対応しているので、大きな問題は生じません。

ということで一通りまとめましたが、知っている方には本当に当たり前のことに感じることでしょう。しかしこのような分け方をきちんと説明してもらう機会というものは、非常に少ないのでは無いでしょうか。そこでこのようにまとめたのです。また今年は新課程と旧課程が混在していることが「理系科目で影響が大きい」のでこのような記事になっています。しかし来年度からは少しずつ文系科目でも新課程のものに移行していきます。

文系科目はそこまで詳しく無いので、新課程と旧課程でどのくらいの食い違いが生まれるか、私には今のところ分かりません。しかし難易度の高い学校を目指す受験生ほど、この教育課程の差が影響しやすいと感じます。そこで今後も、自分に合った参考書・問題集を手に取ることができるよう、情報は公開していきたいと思っています。

ということでぜひ参考にしてくださいね!

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