速度の定義

高校の物理において、”速さ”と”速度”の違いを教わる事はよくありますが、丁寧に速度の定義を教わることは稀ではないかと思います。例えば

○速度とは”速さ”に向きを付けたものである。

これでは物理の理解に全く役に立ちません。いろんな運動を考える時に”速さ”が意味することが自明では無いからです。

○速度とは移動した時間で(ベクトル量としての)位置の変化を割ったものである。

ベクトル量で考えれば、これでもある程度問題はこなせます。しかしきちんと物理を理解しようとすると、これでは不十分と言えるでしょう。また時間によって速度が変化する運動であれば、単一的にこの計算式で求めていくことは出来ません。

○速度とは”単位時間あたり”での(ベクトル量としての)位置の変化量である。

こうやって初めて、物理での”速度”を定義したことになります。上の文章と大きく異なるのは”単位時間あたり”という部分ですね。この単位時間を微小量に設定することで、一般的な運動に対しても速度が定義でき、運動自体を考察することが出来るようになるのですから。

高校物理ではよく”微積分を使うかどうか”という事が議論されます。しかし物理における微積分を、単に”計算を覚えやすくするため”程度の意味で考えていたら、全く意味がありません。しかし物理の本質的な部分と微積分とを融合させようとすると、ある程度高度な高校数学が必要になります(高校の範囲内と言えますが、自在に使いこなせる高校生は割と少ないと言えるレベルです)。そこで私が物理を教える時には、「なぜ物理をやっていると微積分の話題になるのか」ということを少しにおわせながら、問題を解けるようにしていきたいと思います。

分かる人は分かると思いますが、”単位時間あたり”を考えることで、スムーズに微分と結びつきますからね。速度以外の物理量も、この”単位時間あたり”や”単位面積あたり”という定義は非常に多い。それは裏を返せば、物理のいろんな部分が微積分で考えられていることに他なりません。物理での微積分は、単なるテクニックでは無いのですね。

※ちなみに”等速円運動”における速度は、極座標における微積分を考えるとよく分かりますよね。「極座標なんて何に使うの?」と嘆いている理系受験生にはお薦めの勉強です。

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