覚えればいい・・・のでしょうか

実は・・・うちの塾のある学区の某進学校の生徒たちに、化学の「酸化剤・還元剤の半反応式」の係数決定の説明を毎年しています。そして昨日も、その高校の生徒が、期末対策として質問をしてきました。その内容が、この半反応式が覚えられないのでどうしたらいいのか、と言うもの。

念のため聞きました。
私「係数の決め方って説明された?」
生徒「?」
私「じゃあこの半反応式の一覧を、全部覚えろと言われたの?」
生徒「・・・はい」

こういう化学の説明は、高校ではされないものなんですかね?
酸化剤・還元剤の、それぞれの半反応式を作っていくことで、その役割がしっかりと定着してくるんじゃないんですか?
ここまで丸暗記で、本当に化学の中身が伝わるものなんでしょうか?
そして何より、その先生も丸暗記出来たんでしょうか?
・・・もう、いろんな疑問が頭を回って、言葉が出てきませんでした。

物理は、身の回りの物理的現象を把握して、その法則等を理解していって欲しい。そういう知識を元に、問題を解くときもその物理的現象を把握することで、解答を導いて欲しい。
化学は、物質を構成する原子や分子をイメージし、そこから各種の化学法則を理解していって欲しい。そういう知識を元に、問題を解くときもその化学的思考で、量的な変化や物質の反応を捉えて欲しい。

このように考えている私は、もしかしたら少数派なのかもしれません。けれどもやっぱり、生徒たちにはこういうことを教えていきたいと考えます。

当ブログは、 にほんブログ村受験塾・進学塾豊前情報のランキング、
BLOG RANKING高校受験大学受験塾教育のブログランキングに参加しています。
クリックして応援して頂けると励みになります。もしよろしかったらお願いします。

2 Comments

  1. 里見千尋

    何となく呼ばれた気がしました。

    酸化還元反応の半反応式は,

    ・表に出てくる反応式の表す内容が(意外と)地味。燃焼反応はないし,気体発生反応も少ない。
    →暗記に頼ると一般的な化学反応式を覚えるよりも苦痛を伴う可能性が大きくなる

    ・センター試験では例外なく,また大学入試問題では「ほぼ」すべての大学で半反応式が与えられている
    →あの表を覚えるメリットは「あまり」ない

    ということで,試験会場で「その場で作れるように」反応式の作り方の指導に重点を置かれる先生が多いですね。

    とはいえ,
    ・入試で出される数が絞り込めるなら,覚えてしまった方が楽
    という面があるのも事実で,(理解することをショートカットして)反応式を丸ごと覚える,という発想も出てきます(下に書いたように覚えた方がいいこともある)。

    ことに,酸化還元の半反応式が苦手,という根源をさぐると,
      実は化学基礎の前半の内容の定着に大きな課題がある
      (非常に積み上げ構造が明確な分野であり,半反応式だけの問題ではなくなる)
    という根本的な問題にぶつかり指導に著しく時間をかけてしまうので,
    いっそのこと理屈抜きで覚えてしまえ,となることもないわけではありません。
    習うより慣れろ,門前の小僧という言い伝えもありますし。
    とはいえ,根性を発揮すべきはそんなところではないはずで,
    化学の「物質から原子や分子をイメージする」通常の学習が進められる方向に
    何とかもっていきたいところですが,
     文系ではここで学習が終了,苦手を残しつつセンター試験へ
     理系ではこの後もどんどん新しい内容を学習するため,なかなか定着しない
    という大きな課題がつきまとったままとなっています。

    (「覚えた方が楽」な例)共有結合の結晶は黒鉛,ダイヤモンド,ケイ素,二酸化ケイ素の「4つのみ」を覚えればよい
    ※それ以外は入試に「まず」出ないから……と言われていて,93年のセンター試験で炭化ケイ素(カーボランダム)が出てみんなビックリしたのですがそれはさておき。

    Reply
    1. nabe (Post author)

      今回も参考になるコメントをありがとうございます。

      うーん、考えさせられてしまいます。
      確かに半反応式の係数を決めることは、それ以前の化学の知識が重要にもなってきますよね。やっていることは「特定の原子(イオン)や電荷の個数を合わせる」くらいしかやりませんが、考えるべき内容は化学的なものであり、そして計算の操作はかなり数学的だとも言えます。だから生徒にとってとっつきやすいものでは無いかも知れない。

      塾をやっていて感じるのは、すでに中学生の頃から「化学が苦手」と感じている生徒が多いこと。そしてその多くが「化学反応式が覚えられない」と。
      そういう事もきっかけの一つになり、例えば酸化還元の説明のときに「ほら、中学校で薄い塩酸に亜鉛板を入れる実験とかしかなった?」と投げかけても、ポカーンとしている生徒も少なくない、という現状が生まれてくるのでしょう。そういう生徒に、短期間で化学基礎のような範囲を進めていくと、きっと思考的手詰まりを起こすでしょうね。

      本文にも書いたように、里見さんがおっしゃっている「物質から原子や分子をイメージする」という発想に持ち込みたい。そうすれば化学は非常にシンプルな法則の集まりになってくれますからね。
      ・・・もちろん、そればかりではありませんが(笑)

      けれどもまたもう一方で「この学校・・・うちの学区ではトップクラスの進学校だったよなあ」とも感じてしまうのです。本来は中学校の頃から、そこそこ勉強をしていないと入れない高校のはずで、さらに大学進学を生徒たちも意識して、高校もそれに力を入れている。だったら・・・となるのですね。

      ひとまずは、学校でやらないのであればここでやろうと自分に言い聞かせながら、生徒たちにはちゃんとしたものを提供していきたいと感じました。

      ということで、今回もありがとうございました。今後ともどうぞ、よろしくお願いいたします。

      Reply

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Optionally add an image (JPEG only)