自分の学生時代から現在に至るまで、数え切れないくらい数学の問題を解いてきました。それらの一つひとつを覚えているわけではありませんが、その全てが今の自分の糧になっていることは疑いようがありません。
さてそういう問題の中にも、とりわけ”忘れられない問題”というものがあります。私の場合、本番で苦労したセンター試験のベクトルの問題や、二次試験で自信を持って解答した数列の極限の問題など、高校レベルの数学が多いのです。ところが中学レベルの問題にも、そういう忘れられない問題があるのです。
「3時と4時の間で、時計の長針と短針がちょうど重なるときの時刻を求めなさい」
※表現は異なるかもしれませんが、まあこんな感じの問題でした。
今から見ると、中1の方程式の文章題として、さほど特徴的な問題には感じません。けれども私にとって、「とてもシンプルな問題文であること」「日常生活の感覚からでも、非常に問題の中身が分かりやすいこと」という部分が、心にぐっときたのです(笑)
そこで解いてみたのですが、これに当時(中1)の私としては全く手が出せませんでした。”長針と短針が重なる”ということと方程式の立式が、私の中で全く繋がらなかったのですね。そこで解けずに悔しい思いをしたまま、授業での解説を聞いたのです。
先生がスラスラと方程式を立て、それを計算していきます。それによって「そうか、x分間で”何目盛り”と考えればいいんだ」「長針と短針が重なるのは、”同じ場所”と言い換えればいいんだ」など、いろいろな疑問が氷解していきました。そして授業は進みとうとう答えが!ところがその数値が、想像していたものとはかけ離れた”複雑な数値”だったのです。※答えは「(3時)180/11分」
それを見た瞬間「こんな難しいもの、分かるかー!」と(笑)。
ということで私の中で、勝手に”方程式で一番難しい問題”というレッテルが貼られることになったのです。と、こういう経緯があったため、今だにこの問題を忘れないのですね。
この問題が何となく印象に残っていたので、大学時代にやっていた塾のアルバイトでも、いろいろなことを教えることが出来るようになりました。
この問題があったから、方程式の文章題を、単なるパターン化だけで解くのではなく、その意味をきちんと掴むことが大切であると感じるようになりました。
だから・・・この問題や、このレベルの問題を解かせていた当時の先生には、感謝したいものです。
そして出来れば今の生徒たちにも、このような「自分にいい影響を与える」問題に出会って欲しいものですね。
おはようございます。本年もどうぞよろしくお願いします。
中学時代の思い出の問題・・・中学時代,華羅庚の伝記が「高校への数学」に連載されていて,
そのつながりで「フェルマーの最終定理」を解こうとしたり(3次で挫折),
授業で触れられた角の三等分の作図法を開発しようとしていました。
数学の先生が困ったような顔をされていたのが思い出されます。
ちなみに,高校時代に一番印象に残っている問題は
x^14 + x^8 + x^6 + 1 の因数分解(実数の範囲)
でした(たぶん問題集に入っていた入試問題)。
次数が高いため因数がやたらに多くなるし,ルートも出てきて,
ノートを埋め尽くした答案に自信が持てなかった記憶があります。
お返事が遅くなってしまい、大変失礼いたしました。
実はこちらの問題、拝見してから「複素数平面で点をプロットしてみたら、きっと面白いことになるはず」と思い、
いつかその確認の時間を作ろうと後回しになっていました(汗)
いろいろとアプローチの内容も書きたいのですが、まずはこちらのリンクをどうぞ。
Wolfram alphaでの計算結果
出来れば、これに至るまでの計算などをやってみたいのですが・・・機会があれば、ということで。
こんばんは。ご無沙汰しております。
リプライ覧を見て,あわてて再リプライを返しております。気づかず恐縮です。
確かにこの多項式,
(x^8 + 1)(x^6 + 1)
に分解することができるんですよね。
ここから地獄の因数分解(苦笑)なのですが,
確かに方程式の解とみると,複素数平面上できれいな点がプロットできますね。
当時は複素数平面を学習していなかったので,
このことに思い至りませんでした。
よい図をありがとうございました。
こちらこそ返信が遅れて申し訳ありませんでした。
すぐにお返しすれば分かりやすかったものを、私が遅れてしまったばかりに気づきにくくしてしまって。
私は高校時代、当時の「大学への数学」のバックナンバーで、高校では扱っていなかった複素数平面による
円分方程式x^n=1に関する考察を見て、とても感激した覚えがあります。
それもあって、今だにこの手の因数分解は最初からこうやって考えてしまいます。
・・・まあ、地獄には変わりませんが(笑)
ということで、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。