正しいものは正しい

先ほどの授業でのこと。新中2生の生徒に、1年の数学の復習として次の問題を解かせました。

「xLの水が入る空の水そうに、毎分yLずつ水を入れていくとき、水そうが満水になるまでにかかる時間は6分未満である」
・・・この数量の関係を不等式で表しなさい。

生徒が考えている間に、私は解答である「x/y<6」という式を板書していました。その後生徒が解き終わり、その板書を見たらハッとして自分の解答にバツを付け、式を消そうとしています。その解答欄には「x<6y」と書かれていたのです。

私はすぐに手を止めさせました。なぜならこの不等式でも”正しい”からです。だからバツも丸に書き直させました。

さてこの生徒、実は数学があまり得意ではありません。むしろ壊滅的に出来ないと言ってもいいくらいなのです。だから一つひとつの概念から解説し組み立てていって、”自分の力で問題を考える”ことを目標にして勉強をさせているのです。そういう子が反射的に式を消そうとしたのですから、自分が書いた不等式が正しいという根拠を持っていなかったはずなのです。

こういうとき「結果はたまたま合っていたけれども、考え方が伴っていない」ということで、バツの評価をする先生も少なくないでしょう。・・・しかしそれでいいのでしょうか。

数学的に見れば、設問が要求しているものとして「x<6y」は何ら間違っていない。完全に正しい式なのです。
そして正しいものは正しいと評価するべきです。だからバツを付ける理由は全く無いわけです。

もちろん教育的な視点から、これに丸を付けて「よく出来たね」なんて言えるはずはありません。私も、「毎分●Lずつ水が入る」という部分から話を組み立てていって、まずは「x/y<6」となる根拠を説明しました。さらに「容器の容積と中に入る水の体積の比較」という観点から、「x<6y」となる根拠を説明しました。

正解した問題にここまで丁寧に話をしていったのは、この問題を生徒が”分かっていなかった”からです。

「分かっていなかったのならば、バツを付けるべきでは」という方もいることでしょう。しかし考えてみて下さい、「丸を付けた解答にきちんと説明すること」と「正しい解答にバツを付けてしまうこと」の、どちらのデメリットが大きいのでしょうか。・・・私は、この生徒が数学を苦手と思っていることも鑑みて、正しいものは正しいと言ってあげるべきだと考えます。

そしてこの生徒がいつか「自分の解答は正しいのだ」と自信が持てるようになって欲しい。だから安易に解答だけを埋めていくような勉強をさせるつもりはありませんし、そういう背景があるからこそ、正しいものを正しいと教えないといけないのです。

「数学的には正しいのに、先生は”そのやり方ではダメ”と言ってくるから、他のやり方に合わせないといけない」
こんな状況を作ってしまったら、どんどん勉強が”窮屈”になってしまいますよね。

当ブログは、 にほんブログ村受験塾・進学塾豊前情報のランキング、
BLOG RANKING高校受験大学受験塾教育のブログランキングに参加しています。
クリックして応援して頂けると励みになります。もしよろしかったらお願いします。

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Optionally add an image (JPEG only)