とある数学の専門書

昨日のお話のことをもう少し。

昨日の雑談のきっかけは素因数分解でした。最近の学校の授業で難しいと感じるところを何となく聞いてみると「素因数分解がよく分からない」ということだったのです。ならばということでいつものように『じゃあ、素数ってどういう数なのか分かる?』と質問してみたのですね。

そうしたら「1と・・・何か・・・割れるとか・・・」としどろもどろに(笑)。だったら素因数分解も分かるはずがありませんよね。そこでまず感覚的に素数をイメージしてもらう話をして、そこから素数の(中学生に向けての)定義などの話をしていったのです。

さてこういう定義のお話は、それだけではなかなか伝わりません。そこでいらない紙を持ってきて『1~20までの数の中で、どれが素数なのか一緒に考えてみよう』と。

紙に1~20までの自然数を書き、一つ一つに『これは素数?それとも違う?』と聞いていき、最終的に全部の素数を考えさせました。『素数じゃないということは、(1ではない)何かの自然数の積に分けられるよね。だったらそれを繰り返していけば、どんどん細かく分けられるようになる。そうしていったものが”素因数分解”の基本的な考え方なんだよ』・・・なんてお話をしたのです。

そこで取り出したのが次の本。

ご存知の方もいるでしょうが、この本は世界的な名著です。今でこそ整数論の導入はいろいろな専門書があるのですが、私が学生時代の頃はそれほど多くはありませんでした。その中で、扱っている内容の良さのみならず、とても読みやすく書かれている(個人的な感想ですが)ものはかなり貴重なものだったのです。そういう貴重な内容を”母国語”で読むことが出来る・・・これはとても幸せなことだったのです。だから、お金の無かった学生時代ではありましたが、かなり高価なこの本を頑張って購入しました。

私はこの生徒に、この本に書かれている数学的内容を説明するために見せたのではありません。この本に関することをこの子に伝え、これから学問にぶつかっていくための何かしらのヒントにしてほしかったのです。

・・・

このお話をした後、塾で一人になってからちょっとだけ寂しくなりました。

今の時代はこの本に限らず、数多くの専門書が存在します。またそれらの情報をインターネットで知ったり、そのまま電子書籍などで購入することも出来ます。さらに場合によっては、サイト上で中身が公開されているものもあり、教材の面から考えると今はとても勉強しやすい環境と言えるでしょうね。

だから上のようなものを「本として所有している」という価値が薄れてしまいました。それがちょっとだけ寂しいのですね。もちろん電子書籍には実際の本以上の使い勝手の良さがあることは分かるのですが、ことこのような学術書の場合には「分厚い本の持つ重厚感」というものも魅力の1つのように感じてしまいますので。

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