理系の大学入試は大変になりそうです

ここ数日で、数学IAに関する「ユークリッドの互除法」や「合同式」に関することを書きました。
そこでもしかしたら・・・と思い、改めて平成21年3月告示の高等学校学習指導要領を確認したのです。
そうしたら、いろいろと分かってきたことがあります。

まず誤解が無いように。タイトルに「理系」と付けましたが、おそらく文系でも同様かと思います。
しかし扱う内容が大きく変わってくる理系は、非常に重大な変化があるのです。
決して文系を軽視しているわけではありませんので、どうぞご了承ください。

さて要点は、数学IAの変化に伴い、数学IIBや数学IIIはどのように変わってくるのか。
まず数学IIは大きな変化はありません。また数学Bは「数列」「ベクトル」「統計」分野となっています。
このことから、以前のコンピュータの分野が削除されることとなります。
コンピュータの問題は、センター試験数学IIBの中でも非常に点数の取りやすかった内容。
よって、文系でも確実に「数列」や「ベクトル」をやらないといけなくなるのです。

またここで扱う「統計」については、二項分布や正規分布など、以前ならば数学Cに含まれていたものです。
標準偏差や共分散などについては、なんと数学Iに含まれています。
数学Iは高校での必修科目であり、かつ分野の選択は認められていないようです。
つまり、数学IAの試験を受ける人は、必ず標準偏差などをきちんと求められるようにならないといけません。

次に数学IIIについて。こちらは以前の数学Cの内容の半分程度はこちらに含められています。
つまり微分積分だけでなく、二次曲線、媒介変数表示された曲線、極座標などが入っているのです。
これに加えて、以前の教育課程で扱われていた、複素平面と極形式(ド・モアブルの定理)もこちらに入ってきます。
そこで実質、今までの数学Cの内容と同分量の内容が入っていると思っていいと考えられます。
その分、数学Cという科目が無くなりました。

以上から考えられることは、
1,数学IAに関しては、センター試験でも本格的な整数問題を解くことになるかもしれない。
2,センター試験に関しては、数学IIBはそれほど範囲として変化しない。
3,理系の個別試験については、今まであまり触れられなかった統計分野が本格的に導入されるおそれがある。
4,今まで行列で扱ってきたものを、複素平面で扱うことになる。

もっと細かく見ていけば、より詳しい変化が見えるかもしれません。
ただざっと見ただけで、これだけのことが予想できるのです。

数学を教えている立場からすると、数学IIIは大変ですね。
二次曲線だけでも嫌がられる分野なのに、それに極座標を教えることになる。
極座標を教えつつ、複素平面における極形式を扱う・・・となると、ここでかなり混乱する生徒が
出てくるように感じます(実質、ほぼ同じことを扱うのに、見た目がかなり異なるため)。
その山を越えた後に、通常の微分積分があるのですから。

以上のことは数学に限ったことではありません。
理系・・・ということで、理科科目も考えてみましょう。
理科科目は物理・化学・生物・地学の4科目に共通して、「○○基礎」+「○○」という構成になっています。

例えば物理を見てみましょう。
科目としては「物理基礎」と「物理」という、2科目が存在することになります。
物理基礎は、力学的エネルギーを中心とし、熱・波・電気の基本事項を学びます。
この基本事項には、力学の斜方投射や波の干渉すら含まれません。
それらは全て、物理という科目にまとめられています。

この物理という科目は、今までの課程で言う「物理Iと物理IIを合わせた」ものになっています。
そうすると、物理基礎のみを勉強するとかなり平易な内容ですが、
それだけでは入試科目として効果は少ないと思うのです。
ならば大学としても、物理基礎ではなく、物理の試験を必須にする可能性があるのです。

そうなるとセンター試験の段階から、今までの「○○I+○○II」が試験範囲になる可能性が高いのです。
これは受験生にとって、負担がかなり増加してしまいますね。

ということで、ここまで書きましたが、もしかするとこの予想は大きく外れるかもしれません。
ただし生徒を長期的に指導することを考えれば、いろんなケースを想定しておかないといけませんからね。
これだけやっていれば安全、絶対に危険なことは無い・・・ということはあり得ないのですから。

今回ここに書いた内容は、すでに予想されている塾や予備校も多いと思います。
そういった方々からは、「さすがにそこまではならない」と反論されるかもしれません。
ただし、うちのような個人塾であれば、教育内容がどのように変わったのかは非常に掴みにくい。
だから他の塾や予備校の方のためにも、書かせていただいたのです。

もちろん、実際に受験をする生徒にも読んで欲しいと思いますが、併せて指導する立場の方々にも
役立てて頂ければと考えています。
・・・ただしこの内容はあくまで、教育課程を読んだ上での予想でしかありません。
また具体的な変化がわかったら、どんどんこちらで更新していきたいと思います!

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