新課程高校数学の分類

今回の記事は、実は以前にも簡単に書いたものなのですが、
テーマとして扱うことは初めてのものです。
昨日の記事で、センター試験がどう変化するのかをまとめたので、それと関連させて
新しい高校数学の全体像を掴むことができるように、今日の記事内容を決めました。
おそらく生徒は学校でのカリキュラムに沿って勉強するだけ・・・となると思われるので、
数学を指導する立場の方への情報だと認識してもらえると助かります。

新指導要領による、高校での数学の科目について

まず基本として、科目として設定されているのは「数学I」「数学II」「数学III」
「数学A」「数学B」「数学活用」の、計6科目です。
現行課程にあった「数学C」というものは無くなりますので、その範囲が「数学B」や「数学III」に
含まれますので、ご注意ください。

数学Iの内容について

(1)数と式
→ 数に関しては、実数への拡張の意味、集合の概念なども明記されているので、二重根号の計算や集合演算などはここに含まれると解釈するのが妥当でしょう。また式に関しては、展開や因数分解だけでなく、絶対値や不等式の扱いなども含まれます。
(2)図形と計算
→ 主に現行の三角比の分野がそのまま移行しています。
(3)二次関数
→ こちらも現行の二次関数の分野がそのまま移行しています。
(4)データの分析
→ 分散・標準偏差などの意味を理解することが明記されているので、確実に計算する必要性があります。また今までに扱われることが少なかった”散布図”や”相関係数”なども言及されているので、このような知識は早く指導できる状態にしておかないといけません。

以上の内容なので、現行の内容に(4)の分野が追加されている、とイメージすると分かりやすいと思います。
昨日の記事に書いたように、センター試験の「数学I」では、この全てが試験範囲となるので、
指導する上では注意しておかないといけませんね。

数学IIの内容について

(1)いろいろな式
→ ここで三次の乗法公式が扱われることになっており、かつ虚数単位iも導入されます。そのため、高度な因数分解や有理式の計算から、高次方程式や因数定理まで、幅広く代数が扱われることになります。
(2)図形と方程式
→ 主に現行の図形と方程式の分野がそのまま移行しています。
(3)指数関数・対数関数
→ 主に現行の指数・対数関数の分野がそのまま移行しています。常用対数も扱うこととなるので、桁数の問題も変わりません。
(4)三角関数
→ こちらも現行の三角関数の分野がそのまま移行しています。
(5)微分・積分の考え
→ 主に現行の微分法積分法の分野が移行していますが、体積に関する記述はありません。扱いは要注目です。

総じて、数学IIに関しては現行の分野がそのまま移行していると考えて問題は無いと思われます。

数学IIIの内容について

(1)平面上の曲線
→ 現行の数学Cに含まれている内容です。二次曲線だけでなく、媒介変数や極座標を用いた曲線についても考察の対象となります。また複素数平面を扱い、以前の課程で扱われていた、ド・モアブルの定理などもこちらに含まれます。
(2)極限
→ 主に現行の極限の分野がそのまま移行しています。
(3)微分法
→ 主に現行の微分法の分野がそのまま移行しています。
(4)積分法
→ 主に現行の積分法の分野がそのまま移行しています。

要注意なのは、現行の数学IIIの内容に数学Cの大きな分野が含まれてしまうことです。
またこちらに複素数平面が入ることにより、結果として高校数学の範囲から行列の分野が無くなりました。
これは非常に大きな変更点と言えると思います。

数学Aの内容について

(1)場合の数と確率
→ 地味に大きな変更があります。現行では数学Cに含まれていた条件付き確率がこちらに入りました。また確率変数は含まれないので、期待値の計算は外れる可能性が高いと思います。
(2)整数の性質
→ 単元として扱われることが無かったため、非常に扱いが難しい分野。ユークリッドの互除法だけでなく、n進数や循環小数などの仕組みについても明記されています。想定外の難問が出題される可能性が非常に高い分野と感じます。
(3)図形の性質
→ 平面図形や空間図形の性質について扱います。現行の内容に加え”作図”が項目として挙げられているのが特徴的。将来的には作図の代数的意味などが入試に扱われてもおかしくないと思われます。

昨日のセンター試験についての記事は、この(1)~(3)の中から2分野を選択する形式になる、
ということを書いたものなのです。
現実的な選択としては(1)と(2)の選択が多いかと思いますが、国公立二次試験を考えると、
(3)も疎かにすることはできません。むしろかなり不気味です。

数学Bの内容について

(1)確率分布と統計的な推測
→ 現行の数学Cにおける、確率分布や統計に関する分野がこちらに移行します。二項分布や正規分布なども含まれているので、試験対策が非常に難しい分野になるのではと予想されます(今までは試験範囲から除外されることが多かったため)。
(2)数列
→ 主に現行の数列の分野がそのまま移行しています。
(3)ベクトル
→ 主に現行のベクトルの分野がそのまま移行しています。

昨日の記事にも書いた通り、センター試験はこの中から2分野を選択することになります。
おそらく現実的なのは(2)と(3)の選択になるでしょうが、
数学Aと同様、二次試験での(1)がどのようなものになるのか、非常に気になるところです。

数学活用の内容について

(1)数学と人間の活動
→ 簡単な数学史的な内容や、ゲームやパズルに含まれる数学を紹介していく分野です。
(2)社会生活における数学的な考察
→ 表やグラフ、統計などが社会生活にどのような使われ方をしているのか、ということを扱う分野です。経済分野への応用なども言及されています。

この科目に関しては、大学入試には扱われない科目となるので、この科目自体を履修する生徒は
かなり限られていると思います。
個人的には、一番授業をしてみたい分野なのですが・・・。

まとめとして

以上、今回の記事では高校数学全体を概観してみました。
この内容の中で、”明記”や”言及”としているものは、全て新課程の学習指導要領のことです。
ですので、これから作られた教科書には、どのような扱われ方をしているのか、
また今後どのような扱われ方をするのか・・・これは私も早く把握したいところではあります。

指導する立場の人は、どの分野がどこに移動し、どのような扱われ方をしているのかを、
確実に把握しておかないといけません。
かつ、今後の大学入試がどのように変化していくのか・・・それに対応していかないといけないので
非常に難しいことを扱わないといけませんね。

できる限り情報を交換して、よりよい学習指導を行なっていきたいものですね!

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