センター追試験の数学IA・IIBを見てみて

本来受験に「たら・れば」の話は無意味なので、このような記事は書いても仕方が無いものなのですが、
少し思うことがあるので書いていきたいと思います。

内容は、1月26日・27日に行われた「センター試験の再・追試験」に関することです。
大学入試センターのHPで、著作権関係の処理が完了したものから問題と解答が公開されているので、
上のリンクから内容を確認することができます。
まずはこれの数学IAの問題を確認して見ると・・・なんとびっくりするくらい”典型的なセンター試験”の問題。
本試験に比べると、確率の問題のみやや本試験より難しいものの、それ以外はかなり易しいものになっています。

今までのセンター試験の流れでは、本試験より追試験の方が問題が難しくなることが常となっています。
これは必ずしも厳格に決まっていることではないので、今までも難易度が逆転することが無かったわけでは無いのですが、
今回の本試験の変化から考えると、いささか差があり過ぎるような気がしてなりません。

確かに追試験を受けるには、「本試験をやむを得ず受けることができなかった」時に限られます。
そこで意図的に追試験を受験する・・・と言うことは不可能です。
また九州という土地に住んでいると”追試験を受験する手間”というものがかかりすぎてしまうので、
決して追試験を勧める、と言うことはあり得ません。

けれどもこれだけ差があるのなら「出来れば追試を受けさせてあげたかったなぁ」と感じてしまいますね。

ちなみに中身をもっと詳しく見てみると、数学IAの問題については
「必要十分条件」に関する問題が非常にいい問題だと思います。
本試験と同様に、三角形の図形的性質を条件としているものなのですが、
きちんと図形の特徴を掴まないと条件の意味が整理できない、なかなかに高度なものだと感じます。

また「確率」の問題については、一見すると非常に複雑そうに見えるものの、
きちんと条件を整理していくと場合がある程度限られてしまうものです。
そこで数学的に考察をできる人はかなりの正答率となるものの、パッと見で問題を判断する人には
かなり難しい問題に見えてしまう。・・・いい篩になりますよね。

また数学IIBを見てみると、こちらの方は若干本試験より難しいように見受けられます。
しかし出題自体は、これまた”典型的なセンター試験”と感じるようなもの。
そこで単純な難易度と言うよりも、センター対策をしていた受験生には解きやすい問題だったでしょうね。

数学IIBにおいては、本試験と同様、大問題1に「図形と方程式」の分野から出題がされています。
しかし本試験と異なるのは、「”三角関数”+”図形と方程式”」という組み合わせになっていたこと。
ただしこの分野の問題は、方程式では無く領域やその面積を考えることになります。
これはいつもの対策に慣れている人には厳しい問題でしょうね。

また数列分野については、個人的に本試験の数列よりも随分と好みの問題だったりします(笑)
扱っている数列にcosが含まれているので、一体何をすべきなのか迷うかもしれませんが、
実際には「3で割った時の余り」により数列を考察するという、整数問題を背景にしたものになっています。
扱う内容は高度ですが、その分”数学的な力”を見るには非常にいい問題だなあ、という印象です。

なお普段はあまり注目されない統計分野の問題においても、データの値を変数とする関数を考えて
その最小値を考察する、またその値を元にヒストグラムを推定するという、極めて高度な問題。
しかしこの問題を解くことにより、普段は分散や標準偏差を求めることに終始してしまいがちな
統計分野において、その分野の数学的意味を理解することができるでしょう。
これこそが、大学入試センターが目指していた「センター試験の変化」では無いかと感じます。

以上を総合して、今回の追試験の問題はいつも以上に良質な問題が出題されていると感じます。
個人的な思い込みかもしれませんが、とかく追試験は「作為的な難化」を感じる問題という印象があります。
しかし今回の問題は、傾向をいつものセンター試験のものにまとめつつ、
本試験以上に”数学的な学力”を測る試験になっていると感じるのです。

そこで私が言いたいことは、ぜひ今回の追試験の問題を次年度以降に受験する生徒に解いて欲しいということ。
特に今の高1生に対して、数学IIBの統計分野(大問題5)の問題は、非常に優れた演習問題と言えるでしょう。
また同じく、整数問題を本格的に扱うことを踏まえて、今の高1生が数列の基礎を勉強したら、
この追試験の数列分野の問題を解いてほしい。
整数の剰余と三角関数とを結びつけて考える・・・なんてことをやっておくと、
数学自体の興味にも繋がるかもしれませんからね!

本試験の内容に触れた時にも書きましたが、センター試験に対して少しずつ
「典型的な問題を処理する能力」よりも「柔軟に数学的に考察する能力」が必要になってきています。
そのため、普段から「いろんな問題を丁寧に解くこと」という対策が、必要不可欠と言えるでしょう。
その意義はこの追試験でも変わらないと感じます。

ただしセンター試験の傾向と対策を重視してしまうと、今回の本試験のように、かなり引っ掻き回される問題を見ると、
とんでもなく広範な問題に当たらないといけないような気になってしまいます。
しかし今までと同じような傾向であっても、高度な考察が必要とされる問題が出題されるということを
今回の追試験を見て感じたのです。

ということで、来年度以降にセンター試験を受験する生徒にとっては、
今回の追試験は非常にいい教材になると思います。
そこでできるだけ早く、こういうものに手を付けることをお薦めしますよ!

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